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【2024年最新版】コロナ渦での葬儀は?服装やマナーでの注意点も含めて解説
2020年頃からの新型コロナウィルスの大流行以降、ワクチン接種が進み、感染者数が落ち着き始めたかと思えば、次々と変異株が流行り、2024年現在もウィルスの脅威は続いています。
そんなコロナ禍では「三密」を避けた新たな生活様式が定着し、葬儀の形も変わりつつあります。 そこで今回は、新型コロナの流行以降の葬儀形式の変化、それに伴うマナーや注意点について解説します。
コロナ以降、葬儀はみんなどうしてる?
葬儀は元来、複数の人が集まる機会でもあり、人から人へのウィルス感染が起こり得る場です。そのため、コロナ禍では親族や親しい友人など、限られた人数のみで行う「家族葬」の利用者が増えました。
これまでスタンダードだった「一般葬」と比べて小規模な葬儀となるため、感染のリスク軽減と会場の管理がしやすい上、費用面も抑えることができます。遠方からも参列がある場合、飛行機や新幹線での移動に抵抗を感じる人も少なくない中、参列者にとっても感染のリスクから辞退しやすいという側面があります。
また、家族葬以外でも、通夜を行わずに告別式のみを行う「一日葬」、外出を控えて自宅で読経や焼香を行い火葬場へと直接移動する「自宅葬」、火葬のみを行う「火葬式(直葬)」など、工程の一部を省いて三密を避けた形式で執り行われるケースも増えました。
当事者側も、より自分らしい葬儀の形を生前から意識するようになり、実際に以前からも在る「音楽葬」や「生前葬」など、宗教的な項目を省いた形式で執り行われるケースも増えたといわれます。
コロナ禍に増えた葬儀の形式
コロナ以降の葬儀は、厚生労働省と経済産業省が2020年に公開したガイドラインを基に、民間の各葬儀社が独自にルールを定めて行っていますが、ほぼ一般葬以外の選択肢が無かった以前と比べ、結果的に世の中で様々な葬儀形式が受け入れられやすくなったといえるでしょう。ここからは家族葬以外の形式について紹介します。
一日葬
「一日葬」は、通夜を行わずに告別式のみを執り行うもので、家族葬と同じくコロナ禍で急増している葬儀形式です。従来であれば二日間にわたる葬儀を一日で済ませることで、感染リスクを抑えることができます。
自宅葬
「自宅葬」は、自宅の一室で読経や焼香を行い、その後に火葬場に直接移動する形式です。自宅で執り行うため、式場の使用料はもちろん、安置施設なども使用しないことから経済的な負担も少なくて済みます。一軒家かつ、家族・親族のみ程度の参列者数であれば、大体の場合は自宅葬でも対応が可能です。
火葬式(直葬)
「火葬式(直葬)」は通夜や告別式を行わない形式で、人との接触が少ないため緊急事態宣言時に増加しました。読経やお別れの時間を取るアレンジも可能ですが、多くは20~30分で行われます。
音楽葬
「音楽葬」は無宗教葬の一形態で、読経をせず音楽を中心に進行します。故人の好きな音楽を流し、生演奏やCDでお別れすることが特徴です。他の葬儀形式に一部取り入れられることもあります。
生前葬
コロナ禍での葬儀の小規模化により、「生前親しくしていた方の葬儀に参列できなかった」、「きちんとお別れできなかった」と思われる方が増えたことで、亡くなられる前に感謝や想いを伝える場として、当人の希望から生前に葬儀を執り行われることも増えてきています。ちなみに、生前葬が行われた場合には、基本的には従来の死後の葬儀は不要です。
参列者はどこまで呼ぶのがいい?
家族葬では、親族や友人をどこまで招くかが問題になりやすいです。10人程度の近しい親族のみから、30人規模で親しい友人を含む場合までが一般的です。参列者の範囲は家族の判断で構いませんが、選定基準や意図を明確にしておくことが、後のトラブルを防ぐポイントです。
血縁関係で区切る
最も分かりやすいのは、故人から近い親戚関係のみに絞ることです。例えば、二~三親等までと明確に線引きすることで周囲からも基準が分かりやすく、予期せぬトラブルを防止できるでしょう
お住まいの地域で区切る
参列者をお住まいの地域で区切ることも理解を得やすい方法です。例えば、関西から関東、離島から本島など移動が伴う場合、感染リスクや負担を考え、葬儀場から近い方のみに絞るのは配慮の一つといえます。
参列を遠慮してもらう・辞退する場合の対応
ご自身が感染リスクを鑑みて参列を辞退したい、遺族側が参列者の人数を絞りたいと考えても、喪主や参列者の方にお伝えしにくいのが本音だと思います。ここでは、遺族側・参列者側のそれぞれの立場から参列を辞退する・遠慮してもらう場合の対応について紹介します。
遺族側から参列を遠慮してもらう場合
遺族側から参列者に対し、参列を遠慮していただく場合は、「葬儀前に訃報を伝えず、葬儀の後に連絡する」、もしくは「葬儀前に訃報を伝える際、参列を遠慮していただく旨を伝える」のが良いでしょう。 なるべく訃報と同じタイミングで、参列に関してもお伝えするようにしましょう。
参列者側から辞退を申し出る場合
ご自身が参列を辞退したい場合は、喪主にその旨を伝えます。その後、葬儀当日に弔電を打つ、供花や香典を送るなど、もし何らかの事情で参列ができない場合も哀悼の意を形で示すことが望ましいです。
コロナ禍の葬儀のマナー
コロナ以降、葬儀の参列にはマスクの着用や手洗い、消毒のマナーが新たに加わりました。ここからは新しい葬儀のマナーについてご紹介します。
必ずマスクを着用し、会話は極力控える
コロナ禍の葬儀では、感染防止のためのマスク着用はマナー違反にはなりません。マスクの色はカジュアルな印象を与えないよう、「柄入り」などは避けて「白」にしておくのが無難です。白色のマスクだと、「マスクを着用していること」が周囲にも分かりやすく安心感を与えるため、ベージュや薄いピンクなどよりもおすすめです。
感染リスクが低いとされる不織布マスクは良いでしょう。
また、マスクを着用していたとしても会話は少なめを心掛けましょう。もちろん、ご遺族に慰めの言葉をかけるのは問題ありませんが、短めを意識しましょう。
お葬式ではお焼香などの際にマスクが汚れることもあるため、予備のマスクを持参するのがおすすめです。マスクは型崩れや衛生面を考慮してマスクケースに入れて携帯しましょう。また、喪主や親族が予備マスクを用意しておくと、マスクを忘れた参列者に渡すことができ、安心です。
ソーシャルディスタンスを保つ
最近あまり聞かれなくなった「ソーシャルディスタンス」ですが、シニア世代が多い葬儀の場では今も重要な感染対策です。マスク着用でも近距離ではリスクがあるため、咳やくしゃみ時にはマスク越しにハンカチで押さえるなどのエチケットを心がけましょう。
長時間の会食はしない
マスクを着用していても、感染防止のため人が集まる場所での長時間の滞在は避けるべきです。初七日法要後の会食は一般的でしたが、コロナ以降は会食を行わないケースが増えています。
体調が優れない時は欠席を促す
コロナ以降、多くの葬儀場で入口での検温が行われ、発熱がある場合は入場できません。参列者や主催者自身が体調不良の場合、不参加も仕方ない旨を事前に伝えておくことが重要です。
また、それでもどうしても故人に直接お別れが言いたいという方がいらっしゃった場合は、葬儀社によっては「リモート葬儀(オンライン葬儀)」としてLINEやZoomなどを活用し、オンラインでの疑似的な参列で対応するサービスもあります。
コロナ禍での服装マナーは?
コロナ以降、葬儀の規模は縮小傾向にあり、家族葬や一日葬などの形式の葬儀も増えました。しかし、喪服のマナーは以前と変わらず、むしろこんな時だからこそ、故人への敬意を示すことがより重要になるでしょう。
【男性】喪主や遺族はブラックスーツ
男性の正式礼装は、洋装だとモーニングコートとされていますが、近年は喪主であっても「ブラックスーツ」、黒無地・黒ネクタイの準礼装を着用するケースが増えています。
遺族もブラックスーツが無難です。参列者の場合は、黒や濃い紺・グレーのダークスーツの略礼装で構いません。靴下は黒無地、靴もシンプルなものが良いでしょう。
【女性】黒無地のオーソドックスなもの
女性の正式礼装は、洋装だと黒無地のワンピース、スーツ、アンサンブルになります。襟元が詰まっていることや、膝下丈のスカート、黒のストッキングにプレーンのパンプスが正式とされます。黒のバッグやパンプスは布製が無難でしょう。
親族は準礼装として、アンサンブルのスーツやワンピースで、シンプルで控えめなデザインを選びましょう。
参列者は略礼装として、ダークカラーのスーツやワンピース、パンツスーツでも良いですが、華やかなデザインのものは避けましょう。
インナーには、白いブラウスは極力避け、黒やダークカラーのものを着用します。
【子供】制服か、なければ地味な色合いを選ぶ
中高生は、制服が礼装の代わりになります。小学生以下の場合は地味な色合いの服装が良いでしょう。柄物は避け、靴も黒が無難です。
まとめ
今回はコロナ以降の葬儀形式やマナー、身だしなみについて解説しました。三密回避のため葬儀は縮小傾向にあり、その形が現在も定着しつつあります。しかし、形式が変わっても、マナーの本質は故人や遺族への思いやりです。新しい葬儀マナーを理解し、突然の訃報にも落ち着いて対応できるよう備えておきましょう。
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